うどん紀行 〜 山下 〜



讃岐府中駅。

駅員不在のこの駅で、手にした切符を車掌に渡し、列車を降りる。

小高い丘に築かれた、心細いホームの階段。

晴天の田園風景を満喫し、綾川沿いを歩くこと約15分。

『うどん』…井戸に縛りつけられた、2本ののぼり。

農家の庭に入り込むように、その手前を右折する。

着いた!

目指す『山下』がそこにあった。



赤い首輪の、茶色の猫。

その歓迎を受け、感動もひとしお。

『郵便局集配員休憩所』…入口には、知る人ぞ知るあのプレート。

中に入った瞬間、半世紀前にタイムスリップしたような錯覚が…。

昔ながらの農家の土間。

奥の大釜が特に印象的だ。

そこで働く、3人の優しそうなおばちゃん達。

テーブルは入口すぐ左に一つ、右奥に二つ。

左のテーブルに着き、「冷たいの、小!」



待つこと2〜3分。

入口正面の棚に山と積まれたトッピング。

その中から、音に聞こえし『小エビのかき揚げ』を選択。

心おきなくネギを乗せ、「さ〜て、味見だ!」


讃岐うどん



これは…!

癒し系の店。

その雰囲気とは対照的とも言える、コシのある麺。

「サクッ」

おばあちゃんの手によるかき揚げ。

エビの風味豊かで香ばしい。

うどんのムニュムニュ感と、かき揚げのサクサク感が対照的。

…何と言うか、幸せな気分だ。



白黒の猫。

どこからか入り込んだのか、じっとこちらを見つめている。

都会の喧騒とは180度反対にある、懐かしい場所。

最後には「うどんすらどうでもいい」気持ちにさせてくれる店。

坂出の『山下』。

また、来よう。



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